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(11)「パレットナイフの殺人」

 



先日ミステリ・チャンネルで江戸川乱歩の「パレットナイフの殺人」が放映された。戦後最初の探偵映画だそうで、かなりヒットしたといわれている。



製作=大映(東京撮影所) 
1946.10.15 
8巻 2,072m 76分 白黒

企画 ................  加賀四郎
監督 ................  久松静児
脚本 ................  高岩肇
原作 ................  江戸川乱歩
撮影 ................  高橋通夫
音楽 ................  斎藤一郎
美術 ................  下河原友雄
録音 ................  長谷川光雄
出演 ................  宇佐美淳 小柴幹治 西條秀子 小牧由紀子 植村謙二郎 上代勇吉



この作品は乱歩の「心理試験」を原作にしているのだが、話の筋はまったくのオリジナルで、関係があるといえるのは犯人を追い詰めるのに心理試験をつかい、また犯人は心理試験を練習してこれにこたえるのだが最後にボロを出してしまうというトリック部分のみである。


1946年という世相を反映して、話はまず戦中の金持ち本庄家の応接間で始まる。本庄氏が戦地の工場にいっているあいだに本庄夫人は貧乏画家を愛してしまい、肖像画を書かせているのだが、それを横恋慕した特高警察の刑事は嫌がらせで画家を逮捕してしまう。


終戦後本庄氏は外地で死亡し、画家は釈放されたので再び二人の関係は復活するのだが、元特高警察の刑事はそれをねたんで画家が夫人を訪れる晩に夫人を殺害し、罪をきせてしまう。刑事は元刑事を疑うが証拠がないので心理試験を行うことにする。元刑事も心理試験のことをよく知っているので練習をして試験に臨むが、犯行直前におかれた人形付きの置き時計のことを言及してしまい、犯行が露見する。


事件が実際におこるまではけっこう忍耐力がいるし、犯人の独白の囁き声が聞こえにくいのが玉に傷だが、やはりこの時代の作品としては出色のものといってはいいのではないだろうか。しかしこれだけ筋書きをかえられてしまうと、乱歩の映画とはとうていいうことはできない。